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「誰かの役に立ちたい」と介護の仕事に未経験から挑戦。夫の介護と両立する秘訣は?

超高齢社会である日本では、働きながら家族の介護をおこなう「ビジネスケアラー」と呼ばれる人たちが増加しています。仕事と介護の両立は肉体的にも精神的にも負担が大きく、このままでは大量の「介護離職」が発生してしまう懸念があります。労働人口の減少が叫ばれている今、深刻な社会問題に発展しかねないテーマのひとつだと言えるでしょう。

育児と違い、介護は家族構成に関わらず誰にでも発生する可能性があります。また、いつ始まるか、いつ終わるかもさまざまです。そのため、一時しのぎの対応ではなく、ケアをする側が継続的に無理なく続けられるような体制を築くことが重要だと言われています。
今回は、医療・介護領域の「スタッフサービス・メディカル」で未経験から介護業界にチャレンジし、夫の介護と両立しながら働く、横山さんにインタビューしました。


まずは横山さんの現在について教えてください

横山 玲子(よこやま れいこ)さん
スタッフサービス・メディカル 派遣スタッフ

愛知県で夫と二人暮らしをしており、61歳です。夫の介護をしながら、派遣スタッフとして「介護補助」の仕事をしています。県内のリハビリ中心のケアサービスセンターで、ストレッチやレクリエーションのサポートをするのが主な業務です。利用者さんに毎日楽しくご参加いただけるよう、さまざまな動画や本を参考にし、試行錯誤しながらレクリエーションアイテムを作っています。うちわで行う“風船バレー”や“紙飛行機 紙コップタワー倒し”など、作成したアイテムを使った利用者さんが「面白かったね」と笑顔で会話している姿を見ると、本当に心が温まります。


これまではどんなお仕事をされていたのですか

Web運営や、マーケティング、一般事務など、さまざまな経験をしてきましたが、一番長かったのは約20年間の小学校での教員の経験です。定年の60歳まで働いていました。音楽の先生として児童の指導をおこなったり、ICTコーディネーターとして校内システムのデジタル化を推進したり…。児童が成長していく姿を間近で見られる喜びや、学校、保護者、児童が一緒になって何かを進めていく達成感を感じる日々は、本当にかけがいのない時間でした。
 
しかし、やりがいを感じる一方で、片道2時間かかる通勤時間や夫の介護など、少し体力的に負担を感じるようになっていたのも事実です。子どもの学費も払い終え、60歳というきりのいいタイミングでもあったので、思い切って新しいことにチャレンジしようと思うようになりました。
 
そこで出会ったのが、スタッフサービス・メディカルです。未経験からでも、介護業界で無理なく働く同世代の方の活躍を知り、「私がやりたいことはこれだ」と感じました。


未経験から介護業界へチャレンジ。不安はなかったですか?

不安が全くなかったわけではありません。でも、自分の周りに介護業界でお仕事をしている方が多く、細く長く続けていける仕事なのだろうなと漠然と思っていました。80代で週2日午後だけの勤務で働いていらっしゃる方もいます。身近にロールモデルの存在があったことも大きいかもしれませんね。
 
自分が夫や両親の介護に携わる身になり、ケアマネージャーさんと話す際に、何がわからないのかわからずとても困った経験も、振り返ると介護業界に興味を持った一つのきっかけだったように思います。


現在の仕事のやりがいはどんなところですか

私がおこなっているストレッチやリハビリを通じて、出来なかったことが出来るようになり喜んでいただけることや、一度お世話したことを覚えていてくださって心の距離が縮まったと感じられる瞬間に立ち会えることです。児童の成長を間近で感じられることがやりがいだった、教員の仕事と通じるところがあります。

また、人生の先輩である利用者さんと、介護の話やご家族の話、お仕事の話ができるので、自分の将来への解像度が上がったことも嬉しいです。自分の年齢でもチャレンジできること、やるべきことがまだまだたくさんあるなと意欲が湧いてきます。
 
また、派遣という働き方なので、第三者として派遣会社が間に入ってくれるところも安心できるところの1つです。現在、直接雇用を見据えて働いていますが、細かな条件面や希望は、普段の関係もあり直接言いにくいこともあります。そんな時に、些細なことでも確認や調整をしてもらえるのが本当にありがたいです。


介護との両立はどのようにおこなっていますか

今の働くペースは、週3〜4日、13~17時半の4時間半のシフト制で、通勤時間も車で10分ほどです。短時間でも社会と繋がりながら家の近くで働くことが出来るのは、本当にありがたいとひしひしと感じています。
 
夫は、複数の臓器が悪く、体調にも波がある状態。現在は、歩行器を使いながら歩け、ご飯も自分で食べられます。そのため、週に1回訪問看護師さんに来ていただき入浴介助や状態確認、週2回ヘルパーさんに来ていただきバイタルチェックや足浴をお願いしています。通院が決まっているときは、シフトを事前調整してもらっているので、無理なく両立が出来ている状態です。

▲横山さんの”とある日”のスケジュール

私が働いている様子を見て、夫は「自分も頑張らなきゃ」と思ったのか、生活にハリが出て、ご飯を炊いたり、庭に水を撒いたりしておいてくれるようになりました。そんな些細な変化も、元気のなかった時期を見ているからこそ、嬉しいんです。
 
今、介護職員初任者研修を受講しているので、仕事が終わってからは、夫の身体を借りて研修の内容を練習させてもらうことも。話のタネになり、以前よりも会話が増えたように思います。


「働き続けること」をどのように考えていらっしゃいますか

やはり経済的自立という意味合いが大きいです。これまで教員として60歳まで働いてきましたが、働いてきたお金のほとんどは子どもの学費や生活費のためでした。
子どもが自立した今、これからの人生は自分で稼いだお金を自分の好きなものに使えるのが、率直に嬉しいです。いつか孫ができたとき、お年玉を自分であげるのも、今後の楽しみの一つですね。

また、働き続けることで、地域や人とつながり続けることもとても重要だと感じています。夫とふたりの時間も楽しいですが、ずっと家にこもっているとお互い寡黙になってしまい、一緒に話せる話題もあまりありませんでした。今後、気持ちよくふたりで過ごしていくためにも、さまざまな人と繋がりながら生きていきたいですね。


今後の目標を教えてください

直近の目標は介護職員初任者研修の受講を完了し、9月までに実務者研修を取得することです。ゆくゆくは介護福祉士の資格も取得したいと思っています。今の派遣先で、5年以上実務経験を積めば、さらにキャリアの幅が広がると教えていただいたので、どん欲にチャレンジしていきたいです。

この年齢になっても、自分の人生を考えながら技術や知識を身に着けて歩んでいけるのは生きがいです。いくつになっても新しいことにチャレンジし、人と直接会って繋がり続けることで、今後も誰かの役に立てる自分でありたいと思っています。


※所属や肩書は取材当時のものです。


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