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日本で働く外国籍派遣スタッフに突撃!3大お悩みとは?

人口減少や少子高齢化の進行にともない、人手不足が深刻化している中、注目を浴びているのが「外国人の雇用」です。2024年1月の厚生労働省の発表によると、2023年10月末時点での外国人労働者数は 2,048,675人。初の200万人超えとなり、過去最高を更新しました。

スタッフサービスグループの中で、製造分野における人材総合サービスを展開しているテクノ・サービス(以下、TS)では、40ヶ国以上から1,000人以上(2024年7月時点)の外国籍派遣スタッフが活躍しています。


外国籍派遣スタッフの母語相談窓口「GCC」とは?

TSでは、日本で働く外国籍派遣スタッフの母語相談窓口として「グローバル・コーディネート・センター(以下、GCC)」を構え、日本で働く際の就労支援や、就業中・就業後の相談対応をおこなっています。

12人の外国籍社員が、6言語(英語、中国語、タガログ語、ポルトガル語、ベトナム語、日本語)を用いて外国籍派遣スタッフからの相談に電話やオンラインで常時対応しており、1日の対応件数は300件ほどに上ります。


GCCに寄せられる「3大悩み」とは?

日々さまざまなお悩み相談の対応をおこなうGCCですが、相談の多いお悩みにはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、GCCの外国籍社員にインタビューをしてみました。

インタビューについて
対象者
GCCの外国籍社員4人(ブラジル籍、フィリピン籍2人、ベトナム籍)
▼インタビュー内容
これまでに受けた問い合わせ内容・頻度

インタビューの結果、「お金のこと」「手続き、書類関係のこと」「日本語でのコミュニケーション」が3大悩みであることがわかりました。

それぞれについて、詳しく見てみましょう。


お悩み①:お金のこと(給与や税金など)

GCCで受ける相談で一番多いのが「お金のこと」です。

「給与が正しく振り込まれているか」の確認や、出身国によって給料から引かれている所得税を高いと感じる人もいます。社会保険制度などのない国出身の外国籍派遣スタッフは、なぜ給与からそれらの金額が引かれているのかわからず戸惑う人もいるようです。また、給与計算の仕方も日本と自国では違うため、法定時間内残業などの仕組みが理解が難しい、といった相談もありました。

所得税以外にも住民税や自動車税などの地方税がありますが、それらの支払い方がわからないという相談もあります。外国人は言語の壁もあり書類を細かく確認することが難しいため、税金の書類を見落としてしまい、滞納してしまう恐れも。また、所得税控除に関しても、制度を知らずに手続きをしそびれてしまうこともあるようです。

GCCでは現在の就業に直接かかわらないことも、細やかに確認しています。


お悩み②:手続きや書類関係のこと(保険関係書類、マイナンバーなど)

健康保険や厚生年金、介護保険などの社会保険に必要な書類や、マイナンバーの取得や提出方法など、日本で就労する際に用意しなければならない書類が多いことも、外国籍派遣スタッフにとっては悩みの種。日本語の読み書きが不得手な外国人にとっては必要な書類自体の名前が難しく、電話で説明できないこともあります。GCCでは、口頭での説明が難しい場合には、写真などで書面を撮影して送ってもらい、相談に乗っています。

その他にも、子どもを保育園に預ける際に必要な就労証明書やハローワークに提出しなければいけない書類に関しての相談ごとなど、日本でサポートを受けようとすればするほど書類の種類も増え、困ってしまうというお悩みも寄せられます。


お悩み③:日本語でのコミュニケーションのこと

日本語でうまく自分の状況を説明できずに誤解されてしまい、困ってしまうことも大きな悩みの一つです。

具体的な例のひとつに、コロナ禍の当日の欠席でトラブルになりそうになった例があります。当日に「会社に行けない」と突然連絡をして欠勤をし、派遣先から無責任な人だと誤解されてしまったのです。

GCCを介してよくよく事情を聞いてみると、子どもが新型コロナウイルスに罹患し濃厚接触者になってしまったため出社できないことを日本語でうまく表現できず、欠勤することだけしか伝えられなかったことがわかりました。GCCから改めて事情を説明したところ、派遣先に快く休業手続きを取ってもらうことができ、数週間後に安心して職場復帰をすることができました。

また、職場で不安や不満があっても日本語で説明しづらく、ストレスを抱えたまま辞めてしまう外国籍派遣スタッフもいます。そのような外国籍派遣スタッフの話を聞き、派遣先や日本人担当者との橋渡しをすることが、GCCの大きな役割になっています。


お悩み番外編!こんなお悩みも…

3大悩み以外にも、さまざまな相談が寄せられます。個別のお悩みについても状況を母語でヒアリングしながら、より良い解決策を探るお手伝いをしています。

まだまだある!こんなお悩み
■産育休を取得したいが、制度を知らない
相談の中で初めて制度を知る人も!制度を知らない人が多いです。
■家族と一緒に働きたいが、働ける方法がわからない
家族と一緒に日本に来ており、同じ職場で働きたいという相談もあります。
■派遣先の休暇とは別にクリスマス休暇を取得したい
フィリピン人にとってはクリスマスはとても大切な日。その時期は休暇を取得しフィリピンに帰りたいという人が多いです。文化の違いを派遣先へ説明したり、長期休暇や就労時期の相談をしたりすることは、難しいですよね。


実際働いてみてどう?外国籍派遣スタッフの声

フカガワ・ルカスさん(ブラジル籍)
派遣先:加工製品 製造関連 

祖父が日本人のため、子供のころから何度か日本に住んだことがありましたが、2年前から日本で働いています。福岡県や栃木県で働いた後、2023年にTSに登録。現在の派遣先に就労することができ、希望していた首都圏で住むことができました。TSに登録した際には、GCC社員がポルトガル語で職歴や性格などをしっかりと確認し、現在の派遣先を薦めてくれたことで、今では体を動かすことが大好きな自分にぴったりの職場で働けています。

日本で働いていて困ることは、書類関係です。TSから送られてくる連絡や書類はポルトガル語になっていることもあるのですが、役所から届く書類はほとんど日本語です。日本語を読めないので、何が書かれているかわかりません。そんな時は、書類を写真に撮ってGCCスタッフに送り、ポルトガル語で説明してもらっており、とても助かっています。

今の職場での会話は全て日本語ですが、日本語を使う機会が増えたことで、日常会話で苦労することは少なくなり、とても楽しく働いています。


サポートするGCC社員の声

私は外国籍派遣スタッフへの求人紹介や就労開始時のサポート、就業中の相談などを担当しています。日本に来て16年目です。植木屋や物流倉庫、ホテルのベッドメイクやコンビニのレジなどさまざまな仕事を経験しました。一貫して感じたのは、日本で働きたいという意欲があっても、仕事に就くのが難しいことです。

日本語の難しさから自分で求人を探すのも一苦労ですし、働き始めてからも自分の気持ちがうまく伝えられずに不安な思いを持つ外国人はたくさんいます。自分もその一人でした。

それを経験したからこそ外国籍派遣スタッフを助けたいという気持ちで仕事に取組み、1件でも多くサポートしたいと日々努力しています。上司は日本人ですが、外国人を受け入れサポートしてくれます。そのため自分自身の
「恥ずかしがり屋」な性格を乗り越えるチャレンジができ、成長実感と自信を持てるようになりました。これからも外国籍派遣スタッフが安心して働けるサポートをしていきたいです。


\お読みいただき、ありがとうございました!/

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