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地元の宮城で、未経験から半導体エンジニアに。学びの機会が豊富で、成長の手応えを感じられるのが楽しい

スタッフサービス・エンジニアリング(以下、SSE)は、東北エリアの半導体産業の発展を目指す産学官連携の団体に参加。人材の側面から東北の半導体産業を盛り上げるべく、未経験から半導体エンジニアを育成する就業モデルをスタートさせています。

この仕組みを活用して半導体エンジニアとして活躍中なのが、伊藤いとう 理紗りささん。専門性が高い半導体の分野で伊藤さんが成長してきた道のりを聞くと共に、SSE 北海道・東北ブロックの責任者を務める山本やまもと しゅうさんにも取り組みの背景やこだわりを聞きました。


再び盛り上がりを見せる東北の半導体産業。成功の鍵を握るのは人材確保

かつて日本が世界をリードする立場だった半導体業界。近年は海外企業の躍進が目立っていましたが、巻き返しを図る動きが活発になっています。その背景にあるのは、世界的な半導体需要の高まり。全国各地で半導体工場の建設ラッシュが続いています。

なかでも東北地方は、復活をかけて工場の誘致や製造拠点の拡大が進んでいますが、人材の確保がネックに。半導体業界で求められる知識や経験は非常に専門性が高く、即戦力の経験者だけでは増産計画にとても追いつきません。 

そこでSSEでは、半導体業界の未経験者や経験の浅いエンジニア、さらにスキルを積みたいエンジニアに向けて、就業前の半導体実機研修を実施。就業中も半導体の知識・スキルを磨くための研修や配置転換を積極的におこない、半導体エンジニアの育成に取り組んでいます。


産業の発展と、地域の雇用。両方の視点でエンジニアの成長を支援したい

山本 周(やまもと しゅう)さん
スタッフサービス・エンジニアリング
北海道・東北ブロック ゼネラルマネージャー

SSEは、東北での半導体関連産業の基盤強化に向けた産官学連携の団体「東北半導体・エレクトロニクスデザイン研究会」に参加し、大学などと連携しながら半導体エンジニアの育成に取り組んでいます。

今、東北の半導体産業における大きな課題は、人手不足。東北は全国でも人口減少が著しいエリアのため、労働人口が絶対的に少ないことに加え、過去に半導体製造拠点が相次いで撤退した影響もあり、即戦力となるような業界経験者が非常に少ないのです。他の業界であれば未経験から受け入れてOJTで育成していくことも一般的ですが、半導体は非常に専門性が高い業界。未経験者を就業先でイチから育てるには育成コストや時間がかかりすぎるため、人材確保の間口を広げることが難しいと言われていました。

そこで私たちは、就業先の育成負荷を下げることで、未経験から半導体業界に就業できるモデルを検討。現在実施している「半導体実機研修」は、解決の糸口を模索していた私たちと、東北の半導体業界を盛り上げていきたい地域の思いが一致して実現したものです。東北大学の半導体研究施設と協働しているこの研修では、就業前に実際の業務で扱う機械や設備に触れながら、半導体の基礎知識を身につけてもらうことを目的にしています。

これは働くエンジニアにとっても安心材料になっています。そもそも半導体に馴染みのない人にとっては、仕事がイメージしづらく、自分に務まるのかと不安な気持ちも少なくありません。だからこそ、自分の手で実機を動かしてみて、半導体製造の一連のプロセスを知ることで、「できそう」「やってみたい」と意欲を高めてもらうことも意識しています。

SSEでは就業前の研修のほか、就業中も半導体業界の知見が豊富なカウンセラーがフォローし、スキルアップのための座学やWeb講座も用意。自分の担当業務を習得するだけでなく、他の工程も経験しながら広い視野で半導体エンジニアとして成長していくことを大切にしています。

SSEの北海道・東北ブロックでは、現在100名以上が半導体業界で就業中。うち半数は業界未経験で、製造業の仕事自体が初挑戦の人も多くいます。これからも未経験から半導体に挑戦する動きを加速させ、日本の半導体産業の再興を支えていきたい。その一方で、常用型派遣を展開するSSEだからこそ「専門性を磨くこと」と「業界を越えて通用するスキルを養うこと」の両方を支援することにもこだわりながら中長期的に東北の雇用に貢献していきたいです。

社会は目まぐるしく変化を続けている。エンジニア個人の希望が時代とともに変わることだってあるはずです。だからこそ、半導体を極めていくことも、他の業界・職種にキャリアチェンジすることも柔軟に選択できるようなキャリア支援をおこない、一人でも多くのエンジニアが地元でいきいきと働き続けられる姿を実現したいです。


2日間の研修で半導体が一気に身近になり、この業界で成長したい気持ちが固まった

伊藤 理紗(いとう りさ)さん (宮城県在住)
スタッフサービス・エンジニアリング エンジニア社員

工務店を経営する父の影響で、幼いころからものづくりに興味がありました。高校や短大では建築を学び、卒業後は左官の仕事や実家の工務店を手伝っていた時期も。将来を模索し、一時期は接客販売業に就いていたこともあります。でも、その仕事を辞めてもう一度自分のやりたいことを考えてみると、やっぱり私はものづくりがしたかったんです。

ところが、転職活動をはじめても、目につく求人は経験者採用ばかり。自分には可能性がないのかと落ち込んでいたのですが、そんなときにSSEに出会いました。私が惹かれたのは、未経験でも学びながら働けること。知識も経験もなかった私にとっては絶好の機会でした。


エンジニアを目指してはいましたが、はじめから半導体業界を希望していたわけではありません。きっかけは、最初の就業先が半導体製造装置の大手メーカーだったこと。就業開始前に半導体について勉強すると、「あらゆる電子機器に不可欠なもの」だと分かり、興味が湧いてきました。このときの仕事は未経験からでもはじめやすい、部品の品質管理。自分が品質を確認した部品が、隣の部署で大きな機械に組み上げられていく工程を見て、わくわくしたのを覚えています。

1年半を過ごし、次は半導体とは異なるメーカーで就業することに。その間、SSEのキャリアカウンセラーに相談し、エンジニアとしてスキルアップするための勉強をはじめました。その一環で受講を薦められのが、半導体実機研修です。

研修の様子

2日間の体験型研修では、講師からのレクチャーを受けながら、半導体製造の一連のプロセスを体験できたのが良かったです。特に、タブレットケースほどの大きさの基板にチップを組み込むハンダ付け作業の体験は、「やっぱり私はものづくりが好き」と再認識する時間でしたね。この研修を通して、1社目に感じていた半導体への思いが再燃。以前は遠くから眺めるだけだった機械を実際に動かし、なんとなく聞いたことがあった用語の意味を理解するうちに、半導体業界がぐっと身近に感じられるようになりました。

この研修を経て、現在は再び半導体製造装置のメーカーで就業しています。私が扱っているのはウェーハと呼ばれる3㎜×4㎜のとても小さな板。力加減をちょっと間違えると簡単に割れてしまう繊細なものですが、研修のおかげでその繊細さを理解していたからこそ、心構えをして臨むことができました。だからといって、いきなり完璧に業務ができるほど簡単な世界ではありませんが、トライアンドエラーを重ねながら、日々成長を実感できるのが面白いところです。

そんな風に、目の前の仕事を丁寧に自分のものにしながら、一通りの業務を幅広く習得することが今の目標。明確な将来像があるかといえば、まだまだ模索中なのですが、これからも地元の宮城県で働きながら、社会の隅々で必要とされる半導体に携わり、エンジニアとしてのスキルを磨いていきたいです。


\お読みいただき、ありがとうございました!/

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