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「家族と職場のために休みます」。男性が育休をポジティブに選択できる会社へ

スタッフサービスグループでは、男性社員の育児休業取得推進に取り組んでいます。日本の男性育休取得率は12.65%(2020年度実績※)と、まだまだ男性の家事・育児参加が十分とは言えない中、私たちがこのテーマに取り組むことは、スタッフサービスグループのVisionにどうつながるのでしょうか。

今回は、推進の背景や思いをスタッフサービス・ホールディングス人事部の米村よねむら基宏もとひろが紹介。実際に育休を取得したスタッフサービス 首都圏オフィス事業本部の中村なかむらかおるが経験談を語ります。

※出典:厚生労働省 令和2年度雇用均等基本調査


制度を整えるだけでなく、安心して育休が取れる職場風土が必要

米村 基宏(よねむら もとひろ)
株式会社スタッフサービス・ホールディングス
経営管理部門 人事部 ゼネラルマネージャー

スタッフサービスグループでは以前より男性の育休取得を推進しており、2020年度の取得率は26.8%。社会平均の2倍以上の実績で、国が目標に掲げる「2025年までに取得率30%」にもあと一歩の状況です。

しかし、子どもが生まれた男性従業員にアンケートを取ると、「育休を取得したかったが、取れなかった」人が約半数いるという結果に。誰もが安心して育休を取得できる環境が整備されていないことが浮き彫りになり、更に踏み込んだ取得支援の取り組みをはじめました。

取得のボトルネックになっていたのは、「自分がおこなっている業務の振り先がないこと」や「育休制度の知識不足」。誰かに反対をされたというより、なんとなく言い出しづらい雰囲気や、無理だろうと思い込んでいることが育休のハードルになっていました。

そこでまず、会社を挙げて男性育休を促進するトップメッセージを発信。次に実際に育休を取った社員の体験記を社内のイントラネットで共有しました。今後は、上司が正しい知識を持ってフォローできるように役職者向け研修の実施や、育休取得に関して上長に相談できる面談の設定など、育休を取得しやすい雰囲気づくりにつなげていきます。

必要な人が必要なときに、選べる選択肢として

私自身も育休を取得した父親の一人として実感しているのは、子育てにおいて育休はあくまでもスタート地点であることです。まだまだ母親に負担が偏っているのが今の社会の現実。だからこそ父親も一定期間は家事や育児に専念し、大変さとその先にある喜びを分かちあうことは、その後の家族への向き合い方にも影響するきっかけになるのではないでしょうか。

また、私たちが男性育休取得の推進に取り組むのは、子どものいる男性だけのためではありません。男性が家事育児に参加することは女性が社会で活躍する支えにもなりますし、家庭と仕事を両立できる人が増えれば、それだけ多様な働き方・価値観の人が集う会社になります。

そうした姿は、まさしくスタッフサービスグループが事業を通じて社会に提供したいことそのもの。誰もが活躍できる社会を実現するために、まずは自分たちが率先して、男性育休を希望する人がポジティブに利用できる選択肢の一つとして推進していきます。

職場にも家庭にも。育休をきっかけに起きた、前向きな変化

中村 薫(なかむら かおる)
株式会社スタッフサービス 首都圏オフィス事業本部 東京ブロック ゼネラルマネージャー

私は、次女の誕生に合わせて育休を取得。長男・長女のときには、父親が育休を取るなんて考えたこともありませんでした。そんな私が今回休むと決めたのは、日常会話の中で何気なく口から飛び出した「育休とろうかな」という言葉を、妻が真剣に受け止めてくれたこと。さほど本気ではなかった私でしたが、予想以上に父親の存在が求められていると感じ、決断しました。

当時、私は統括マネージャー(課長職)を務めていたのですが、上司は私の立場で育休を取ることを心から応援してくれました。それは、統括マネージャーが率先して取得し実績をつくることで、メンバーへ波及させる意図もあったと思います。ただ、私はそのことに加えて、育休を自組織がチャレンジする機会としても捉えました。自分が不在でもメンバーが主体的に判断して動ける組織に進化させたかった。その絶好のチャンスだと思ったんです。

2019年の年末頃にはメンバーに育休を宣言し、少しずつ自分の業務を配下のメンバーに渡して、マネージャーがいなくても自走できる体制を整えていきました。ただ、もちろんメンバーは私が休むことに少なからず不安な気持ちはあったはずです。そうした想いを理解できるからこそ、私は敢えて「申し訳ない」とは言わないように。育休は誰かが犠牲になることではなく、みんなにとって成長のチャンスなんだとメッセージを発信し続けました。

次女の誕生は2020年の4月。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下の出産は予定通りに行かないことが多く、私が家庭に専念できて助かった部分も大きいです。一番は上の子どもたちの小学校が休校になり、友達とも遊べず、ずっと家で過ごさねばならなかったこと。妻が出産で家を空けていた期間は、私が家で子どもたちのことを一手に引き受けることができましたし、毎日朝から晩まで一緒に過ごしたことは、長男・長女との貴重な思い出にもなりました。

妻が病院から戻り次女を家に迎えてからも、私が引き続き家事全般と上の子どもたちを引き受け、妻は新生児に専念。夫婦で役割を分担したからこそ乗り切れましたが、長女の出産時に妻はこれを一人でやっていたのだと思うと、どれだけ大変だったのかとようやく理解しましたね。

妻は専業主婦のため、それまでの私には「自分は外で働いているんだから、妻には家のことをちゃんとやってほしい」という役割意識があったように思います。でも、育休をきっかけに仕事と家事・育児を役割で線引きするのではなく、できる人がやるというスタンスに変わっていきました。

また、育休が終わり職場に復帰してみると、メンバーたちが以前よりも自律的に仕事を考え行動しているような変化を感じました。コロナ禍でいつもより混乱していたはずの状況を乗り切ったことは彼らの自信にもつながったはず。育休をきっかけに信じて任せてみたことが、一人ひとりの成長の後押しにもなったようでした。

こうした経験を経て、2021年は私が統括ゼネラルマネージャー(部長職)として預かっている組織から2名の男性統括マネージャーが育休を取得予定です。私自身がそうしたように、後に続く人たちにも育休はみんなにとってポジティブなものだと思って取ってほしいですし、そうした動きが広まることで、数年後の未来には男性の育休が女性と変わらず当たり前のものになってほしい。私たちスタッフサービスグループが率先し、社会に対するメッセージにしていきたいです。

※所属や肩書は取材当時のものです。

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