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ライフイベントとキャリアを両立。与えられたチャンスをいま、社員と社会に還元

スタッフサービスグループ役員の経営理念「チャンスを。」にまつわるエピソードや事業において今後実現していきたいことを紹介する『「チャンスを。」stories』。今回は、スタッフサービス・ホールディングスで執行役員をつとめる小松こまつ美和子みわこのエピソードを紹介します。


さまざまな局面でチャンスを与えられ、いまがあることに感謝

「チャンスを。」という言葉を自分事として捉えると、私は本当にたくさんのチャンスを与えられてきたと思います。1つ目のチャンスは、大阪の大学を卒業後、リクルートの求人媒体でアルバイトとして働き始めて約4年がたった頃。上司から「人材派遣のリクルートスタッフィングが大阪支店をオープンするので正社員にならないか」と声をかけられたのです。そこで私は初めて正社員になりました。

2つ目のチャンスはそれから約2年がたち、結婚して大阪を離れることになった時です。夫が関東に勤務していたためですが、当時は、女性が配偶者の勤務地に合わせて転勤を願い出るなんて考えられませんでしたから、会社は辞めるものと思っていました。そこで上司に理由を話し、退社を申し出たところ、「東京に勤務すればいいじゃないか」。そこで現在につながる派遣サービスに関わるバックヤードの仕事に就き、管理職のポストも与えられました。

3つ目のチャンスは出産前後にわたっています。当時、育児をしながら仕事を続けている女性は周囲にほとんどいなかったので、妊娠をきっかけに辞めようとしていると、上司が「とりあえず産休・育休をとってみたらどうか」。そして復帰後、さすがに管理職業務は無理だろうと役職を降り、プレーヤー業務をしていたところ、当時の部長に呼ばれ、「この仕事はあなたの方がよく知っているから、あなたが部長になりなさい」と。

そしてスタッフサービスグループがリクルートに参画した一年後の2008年、現職である株式会社スタッフサービス・オフィスマネジメントの代表取締役社長のポストを提示されました。これが4つ目のチャンスです。子供がまだ小学3年生で子育てとの両立に不安があったので迷いましたが、「サポートするから」と言われて引き受け、スタッフサービスグループで初めての女性役員になりました。

それからさらに約10年がたった頃、5つ目のチャンスが巡ってきました。義母の介護が必要になり、介護支援しながらの仕事の継続は難しいかもしれないと社長に相談すると、「これから同じ問題に直面する人のためにも、リモートワーク活用も含め試行錯誤しながら、両立の方法を探ってほしい」と。そしてそのまま現在に至ります。就職、結婚、出産、育児、介護とさまざまなライフイベントを迎えながらもずっと仕事を続けられたのは、その時々でチャンスを与えてくれた上司、そして支えてくれた周囲の人たちのおかげです。心から感謝しています。

小松 美和子
株式会社スタッフサービス・ホールディングス 執行役員(経営管理担当)
株式会社スタッフサービス・オフィスマネジメント 代表取締役社長

女性が長く働き、キャリアを追求できる環境づくり

女性の社会進出が急速に進んだ時代に並走するように、この会社では私が先頭に立って、女性が仕事を続け、キャリアを築くという道を切り拓いてきたことになるでしょう。チャンスを与えてもらった分、後に続く人たちにもチャンスを――。それが私の責務だと思っています。

スタッフサービス・ホールディングスの経営管理部門を担当する立場としては、2013年にダイバーシティを推進する部署を立ち上げ、女性社員・女性管理職比率の向上や働き方改革の推進に積極的に取り組んできました。まず重点を置いたのは、女性が長く働ける環境づくり。必要な制度を整えるのと同時に、結婚や出産・育児で仕事を辞めることはない、キャリアを諦めることはないという意識を本人にも上司にも持ってもらうように、専門家も招いて意識改革を進めました。

その結果、現在、出産後の女性社員の復職率はほぼ100%。管理職のワーキングマザーも活躍していますし、現女性役員(私以外の1人)も産休・育休を取得後、役員として復職しています。仕事と家庭を両方とも楽しんでほしい、自分を大切にしてほしい――。そういう想いから、ワーキングマザーを対象としたイベントも頻繁に開催しており、大変好評です。

また、向上心が旺盛な人には常に手応えを感じてもらいたいので、キャリア構築支援にも力を入れています。スタッフサービスグループでは2020年から多様な人材を活かすため、人事制度を刷新しました。そのうちの一つとして、限定正社員があります。限定正社員は特定の地域に限定して勤務ができ、短時間勤務も可としています。その地域における中核的業務などを担う役割ですが、それを越えて「リーダーシップを身につけてマネジメントに携わりたい」という希望があれば、次のステップであるグループ正社員をいつからでも目指せる道が用意されています。そのための教育もおこなっています。

誰もが仕事も家事もする――それが普通の社会を目指して

ほかに現在、ダイバーシティ推進で力を入れ始めたのは、男性社員の育休取得、それに家事参加です。男性社員だけでなく、常用型派遣の男性エンジニアスタッフに対しても育休が取得できるようにしようという取り組みも増えてきました。

なぜ、こういう取り組みに力を入れているかというと、女性が長く働ける職場環境が整いつつあるとはいっても、家事や育児はどうしても女性に偏りがち。実質的にはいわゆる「ワンオペ」になることも少なくないでしょう。一方、職場では、さまざまな状況にある社員を部下に持つ中間管理職に業務が集中している実情も軽視できません。

こういった歪みを解消するには、誰もが仕事をしながら、育児も家事もするのが当たり前という認識を確立させて、男性・女性の区別なく支え合っていける社会を作っていくことが大切です。男性の育休取得、家事参加の推進は、明るい未来への第一歩。男性にとってはまだ抵抗があるかもしれませんが、結局のところはこれもまた、自分も含めて働きやすい、生きやすい社会を作っていくチャンスではないでしょうか。

もうひとつ考えていることがあります。私は目下、義母の介護中です。周囲の支えがあり、仕事を続けていますが、広く社会に目を向けると、介護のために離職する人が増えています。そこで、今の自分の経験を活かして、介護をしながら仕事も続けられる仕組みを生み出すことができないかと思っているのです。それができれば、当社の「Vision」、『いつからでも、どこにいても、誰もがより良い「働く」に出会える社会へ』の実現の一端を担うことにもなるでしょう。誰もが仕事をしながら楽しく育児、楽しく介護――。そんなことが普通になる社会を思い描きながら、これからも力を尽くしていきたいと思っています。

※所属や肩書は取材当時のものです。


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